「リスクリワードは大きいほどよい」とか「リスクリワードは1:2が適切」とか聞きますが、勝つために適切なリスクリワードとは一体どの位なのでしょうか。
今回はスキャルピング、デイトレード、スイングトレードと3つのトレードスタイルで、それぞれに適したリスクリワードはどの位なのかを徹底検証してみようと思います。
FXトレーダーの参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください!
リスクリワードとは?
そもそも、リスクリワードとは何なのかおさらいです。
計算式は、「勝ちトレードの平均利益」÷「負けトレードの平均損失」です。
要するに、利益と損失の比のことです。
平均利益10pips、平均損失10pipsだとリスクリワード1です。
平均利益20pips、平均損失10pipsだとリスクリワード2です。
平均利益10pips、平均損失20pipsだとリスクリワード0.5です。
リスクリワードが大きいほど、平均損失に対して平均利益は多く勝率は低くなります。
リスクリワードは小さいほど、平均損失に対して平均利益は少なく勝率は高くなります。
このように、リスクリワードと勝率はトレードオフの関係にあります。
トレードオフとは、「両立できない関係性」を指す言葉で、何かを得たら何かを失うという意味です。
リスクリワードが大きくて勝率も高ければ最高なのですが、そうもいかないということですね。
検証内容について
今回はスキャルピング、デイトレード、スイングトレードの3つをさらに順張りと逆張りに分けて、勝つために適切なリスクリワードを検証します。
具体的には以下のパターンの勝率とプロフィットファクターを調べます。
さらに、簡単にですけど以下のように順張りと逆張りを分けて検証してみます。
通貨ペアはドル円、想定スプレッドは1銭(0.1pps)です。
スキャルピング(5分足)のリスクリワード検証
順張りの場合
TP1 | TP2.5 | TP5 | TP10 | TP15 | TP20 | TP25 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SL5 | 73.5% 0.72 | 60.8% 0.85 | 47.0% 0.92 | 31.9% 0.94 | 23.9% 0.94 | 19.3% 0.96 | 16.3% 0.97 |
SL5に対し、TP1(リスクリワード0.2)やTP2.5(リスクリワード0.5)だと、プロフィットファクターが低くて、勝負にならないですね。
SL5のTP5(リスクリワード1)ぐらいから、プロフィットファクター0.9以上になり、他の条件などもしっかり考えれば勝てるのではないでしょうか。
リスクリワードが大きいほど、勝率が低くなり、プロフィットファクターが上がるという結果になりました。
逆張りの場合
TP1 | TP2.5 | TP5 | TP10 | TP15 | TP20 | TP25 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SL5 | 75.4% 0.84 | 63.3% 0.95 | 49.1% 0.99 | 33.2% 1.00 | 24.7% 0.99 | 20.0% 0.99 | 16.8% 1.00 |
順張りよりも逆張りの方が全体的にプロフィットファクターが高めです。
逆張りの場合は、SL5に対しTP2.5(リスクリワード0.5)から、プロフィットファクターが0.95といい感じになります。
こちらも順張りの結果と似ていますが、プロフィットファクターはリスクリワード2から頭打ちという感じです。
デイトレード(15分足)のリスクリワード検証
順張りの場合
TP3 | TP7.5 | TP15 | TP30 | TP45 | TP60 | TP75 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SL15 | 80.7% 0.90 | 65.3% 0.96 | 49.1% 0.97 | 33.2% 0.99 | 24.9% 0.99 | 20.4% 1.02 | 17.3% 1.04 |
15分足デイトレード順張りでは、リスクリワード0.2からプロフィットファクターが0.9を超えています。
リスクリワードが大きいほど成績が良くなり、リスクリワード5だとプロフィットファクターが1.04です。
スプレッドがあるので、基本はプロフィットファクター1より小さくなるのですが、適当な条件だけで1.04なので、これをベースにデイトレード手法を作ってみたくなるほどです。
逆張りの場合
TP3 | TP7.5 | TP15 | TP30 | TP45 | TP60 | TP75 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SL15 | 82.0% 0.99 | 66.3% 1.00 | 49.6% 0.99 | 33.4% 1.00 | 24.9% 0.99 | 20.0% 0.99 | 17.1% 1.02 |
15分足デイトレード逆張りの場合は、どのリスクリワードでもプロフィットファクター1前後でした。
ただ勝率は、リスクリワードが大きくなるほど、やっぱり下がります。
スイングトレード(1時間足)のリスクリワード検証
順張りの場合
TP20 | TP50 | TP100 | TP200 | TP300 | TP400 | TP500 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SL100 | 82.8% 0.97 | 66.3% 0.98 | 49.8% 0.98 | 32.9% 0.97 | 24.8% 0.98 | 20.4% 1.01 | 17.0% 1.01 |
どのリスクリワードでも、プロフィットファクターはあまり変わらない結果となりました。
逆張りの場合
TP20 | TP50 | TP100 | TP200 | TP300 | TP400 | TP500 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SL100 | 80.0% 0.91 | 66.3% 0.98 | 50.1% 1.00 | 32.8% 0.97 | 24.8% 0.98 | 19.4% 0.95 | 16.4% 0.97 |
TP20(リスクリワード0,2)では、プロフィットファクター0.91で他と比べて少し低めですが、それ以外は似たり寄ったりの結果となりました。
リスクリワードの検証結果
今回は、5分足スキャルピング、15分足デイトレード、1時間足スイングトレードの順張り、逆張りで計6パターンのリスクリワードを簡易的に検証をしてみました。
結果はリスクリワードが大きいほど、プロフィットファクターが大きくなりました。
その反面で、勝率は下がるという結果になりました。
リスクリワードが小さいと、小さく積み上げた利益が、一度の負けで全て吹っ飛んでしまうので、トータルでみるとプラスにするのは難しいんでしょうね。
いわゆる高勝率のコツコツドカン手法より、多少勝率が低くても一撃の利益が大きい手法の方が、FXのトレードでは有効のようです。
特にリスクリワード1以上(損失1に対して利益1以上)が、プロフィットファクター的には勝つために適切と言えそうです。
みなさんも手法を考えるときは、損小利大のルール作りを意識してみてください。
コメント